Rapid Equilibrium Dialysis (RED)
迅速平衡透析法REDによる血漿タンパク結合アッセイ
化合物とタンパク質の結合度は新薬の開発で非常に重要な測定項目です。特に血液中に豊富に存在する血漿タンパク質との結合は、服用量・有効性・排出速度・薬物相互作用に大きく影響します。この血漿タンパク質との結合(PPB; Plasma Protein Binding)は超遠心法・限外濾過・平衡透析により決定され、血漿中の非結合型の(遊離)薬剤フラクション決定では信頼性の高い標準法として確立されています。平衡透析法(ED; Equilibrium Dialysis)は他法と比較して、デバイスへの非特異的吸着も少なく好ましい測定法とされますが、手間と時間の掛かる、自動化も困難な手法でした。膨大な新薬候補化合物(リード化合物)と周辺化合物を薬物動態学的なアプローチによりリード化合物の最適化を繰り返す企業にとって、ハイスループットスクリーニング(HTS; High-Throughput Screening)化は最も関心の高い課題のひとつです。
Rapid Dialysis Equilibrium(RED)デバイスは迅速な平衡透析を目的として、これらの課題に直面している製薬企業との密接な共同研究により開発されました。独特のデバイス構造と高い比表面積 (7.4) により、遊離の低分子化合物は速やかに平衡に到達します。96-Wellベースプレートは再利用可能なテフロン(PTFE)製またはディスポーザブルな高密度ポリプロピレン(HDPP)製から選択可能です。透析チューブインサートには排除分子量8,000の透析膜(再生ニトロセルロース)を使用されています。基本的にプレソークは不要であり、パッケージから取り出してすぐに使用することが出来ます。血漿タンパク結合アッセイの他、赤血球/血漿間の薬物分配、肝ミクロソームのタンパク結合によるin vitro/in vivo間の相関性の改善、組織タンパク質と血漿タンパク質の競合、にもREDデバイスは使用されています。
オリジナルREDシステム
オリジナルREDシステムはディスポーザブル透析チューブインサートと96- Wellテフロン(PTFE)製ベースプレートで構成されます。ベースプレートの独特なデザインにより液体自動分注システムに対応する一方、透析チューブインサートの高い比表面積により迅速に平衡に到達します。REDデバイスによる血漿タンパク結合アッセイのバリデーションは既に広範囲で行われ、その結果は文献(表1)で報告されています。REDデバイスを用いたワルファリン(抗凝固剤)のヒトおよびラットでの血漿タンパク結合アッセイを 1 uM と 10 uM の2濃度系列で行い、測定内変動は最小に抑えられています
シングルユース REDプレート

図1シングルユースREDプレートは高密度ポリプロピレン(HDPP)製のベースプレートに予め48の透析チューブインサートがセットされています。セットされているインサートはオリジナルREDシステムと共通ですが、ベースプレートはディスポーザブルで、使用後は廃棄することができます。インサートの充填や除去、ベースプレートの洗浄は不要です。特に放射性標識した化合物を使用する場合、このシングルユースREDプレートは推奨されます。
特長
- プレソークやアセンブリが不要なディスポーザブル・透析チューブインサート
- 高い比表面積により、プレートシェーカー使用で100分間、静置では3-4時間で平衡に到達
- 液体自動分注機に対応する96穴フォーマット
- 48アッセイのアッセイ数を自由に選択
- 区画化されたプレートデザインがクロストークやリークを解消
- 血漿タンパク結合アッセイに対してバリデート(表1)された再現性と正確性
- 化学的不活性な高品質PTFEベースプレート(オリジナルRED)が非特異的結合や夾雑のリスクを低減
- シングルユースプレートは軽量で自動化ワークステーションに最適
- ピペットチップのアクセスが容易な透析チューブインサートの大きな開口部
- 各製造lotでタンパク結合アッセイでの機能試験が行われ、品質を保証
アプリケーション
- 血漿タンパク質との遊離薬物:結合薬物の評価
- 薬物動態学的な研究
- in vivo研究のための投薬量の体系化
- 薬物相互作用の研究
- リード最適化の選択基準として
- 血漿/全血間の薬物分配
- 水溶性試験
- 解離係数の決定 (Kd)
- 組織ホモジネートを使用した組織結合試験
| ヒ ト血漿 (% bound) | ||
| 化合物 (1 uM) | RED | * その他のデバイス |
| Warfarin | 99.24 | 99 |
| Taxol | 96.16 | 95 - 98 |
| Propranolol | 91.81 | 80 - 92 |
| Vinblastine | 99.3 | 99 |
| Verapamil | 90.31 | 88 - 92 |
| Atenolol | 3.50 | < 5 |
| Antipyrine | 0 | 0 |
* 文献1-5 での報告値
| 化合物 (1 uM) | ヒ ト 血漿, % free | ヒ ト ミクロソーム, % free |
| Warfarin | < 1 | 81 |
| Taxol | 4 | 20 |
| Propranolol | 8 | 44 |
| Vinblastine | 0.7 | 4 |
| Verapamil | 10 | 27 |
| Methotrexate | 50 | 70 |
| Simvastatin | 7 | 23 |
| Atenolol | 97 | 100 |
| Antipyrine | 100 | 100 |
* ミクロソームタンパク質は濁E1.0 mg/mlで使用
| デバイス | 平衡到達 時間 | リーク | ディスポ | 手間 | 自動化 | 容量変化 |
| RED (Pierce) | 4 Hr | None | Yes | + | Yes | None |
| Multi-Equilibrium Dialyzer (Harvard Apparatus) |
3-4 Hr | Minimum | No | ++++ | No | Minimum |
| 96-well Equilibrium DIALYZER (Harvard Apparatus) |
16 Hr | 20% | Yes | +++ | Possible | Yes |
| 96-well Micro Equilibrium Dialysis block(HTDialysis, LLC) | 6 Hr | Some | No | +++ | Possible | Yes |
| 24-Multiwell Dialysis (BD Biosciences) |
24 Hr | Not measured |
Yes | ++ | Possible | Not measured |
Shelley Li1, Bob Xiong2, Tainang Huang2, Lily Li2, John Donovan3, Frank Lee*1, Shaoxia Yu1, Gerald Miwa1, Hua Yang*1 1DMPK/Drug Safety & Disposition, and3Process Technology, Millennium Pharmaceuticals, Inc. 40 Landsdowne Street, Cambridge, MA 02139 USA and2Linden Bioscience, 35A Cabot Road, Woburn, MA 01801, USA
| Cat.# | 製品名 | 容 量 | 価格 |
| 89809 | RED Device Inserts | 50/pkg | ¥90,000 |
| 89810 | RED Device Inserts | 250/case | ¥385,000 |
| 89811 | Teflon Base Plate | 1 plate | ¥82,000 |
| 89812 | RED Device Insert Removal Tool | 1 remover | ¥21,000 |
| 90006 | Single-Use RED Plate(1 plate with 48 inserts) | 1 x 48 | ¥98,000 |
| 90007 | Single-Use RED Plate(5 plates, each plate containing 48 inserts) | 5 x 48 | ¥398,000 |
| 90004 | Single-Use RED Base Plate (empty) | 2 plates | ¥9,000 |
| 90005 | Single-Use RED Base Plate (empty) | 10 plates | ¥37,000 |




