Pierce Detergent Removal Spin Columns
界面活性剤除去用スピンカラム
Thermo Scientific Pierce Detergent Removal Spin Columns は、10 µL から 1 mLまでの幅広い容量のサンプル(タンパク質溶液やペプチド溶液)から高濃度(1-5%)の界面活性剤を効率よく、迅速に除去するためのスピンカラムです。スピンカラムに充填済みのレジンは、タンパク質抽出やサンプル調製で使用される一般的な界面活性剤とアフィニティー結合します。また、タンパク質やペプチドの非特異的結合によるロスは少量です。
ペプチド溶液から界面活性剤を除去することは困難で、特に質量分析を行う場合、界面活性剤がペプチドのカラムへの結合、溶出、イオン化を阻害することがあるため、確実に除去する必要があります。Pierce Detergent Removal ResinはBSA溶液やHeLa細胞ライセートのトリプシン消化サンプルからさまざまな種類の界面活性剤を除去できることを確認しています(図2および図3参照)。また界面活性剤除去後のサンプルがLC-MS/MS や MALDI-MS分析に利用でき、界面活性剤が原因で生じるベースラインの上昇を抑えられることも確認しています。
特長
- 迅速 - スピンカラムフォーマットのため簡便です。
レジンを充填済みのスピンカラムのため、平衡化(遠心:1分 x 3回)、サンプル添加(インキュベーション:2分)、サンプル回収(遠心:2分)を行うだけです。サンプル回収は10分以内に終了します。 - 高効率 - 界面活性剤を >95% の効率で除去可能です。
極性部分の性質に依らず、イオン性、非イオン性、両イオン性の界面活性剤を除去可能です。サンプル中に含まれる高濃度(1-5%)の界面活性剤を>95%の効率で除去できるだけでなく、タンパク質やペプチドの非特異的結合によるロスは少量です(表1参照)。 - トリプシン消化サンプルに適合 - 質量分析におけるペプチドカバレッジを向上します。
質量分析において、サンプル中に残存する界面活性剤がペプチドのイオン化を妨げ、m/z値のシフトやベースラインの上昇を引き起こすことがあります。界面活性剤を含むサンプルをPierce Detergent Removal Spin Columnsで処理することによりペプチドカバレッジを向上させることが可能です(図3参照)。図2は、トリプシン消化したBSAサンプルについて、Pierce Detergent Removal Spin Columnsで処理した場合と処理していない場合のMALDI-MSスペクトルです。 - 4サイズをラインナップ - カラムサイズが125 µLのタイプから4 mLのタイプまでラインナップしています。
カラムサイズが125 µLのタイプではサンプル処理量は10-25 µL、同様に0.5 mLタイプでは処理量は25-100 µL、2 mLタイプでは処理量は150-500 µL、4 mLタイプでは処理量は500-1,000 µLになります。

図1 Pierce Detergent Removal Spin Columnsの操作手順
1. 保存液を除去するために、1,500 x gで1分間遠心
2. 0.4 mLの平衡化バッファーを添加して1,500 x gで1分間遠心(更に2回くり返す)
3. 界面活性剤を含むサンプルを添加して室温で2分間インキュベーション
4. 1,500 x gで2分間遠心してサンプルを回収

図2 界面活性剤除去または非除去サンプルのMALDI-MS解析スペクトルの比較
界面活性剤を含むBSAのトリプシン消化サンプル (0.1 ml, 100 µg)をPierce Detergent Removal Resin, 0.5 mLで処理した後、MALDI-Orbitrap Mass Spectrometerを用いてマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI-MS) を行いました。界面活性剤を除去したサンプルのスペクトル(Triton X-100, Processed またはTriton X-114, Processed)は、界面活性剤を除去しない場合(Triton X-100, Unprocessed またはTriton X-114, Unprocessed)に比べてカバレッジが向上し、界面活性剤を添加しない場合に近いスペクトルが得られました。界面活性剤としてCHAPS、 NP-40、SDSを含む場合でもそれぞれ同様の結果が得られました (data not shown)。

図3 界面活性剤除去または非除去サンプルのスペクトル数とペプチド同定数の比較
1% SDSを含むHeLa細胞ライセートのトリプシン消化サンプル (0.1 ml, 100 µg)をPierce Detergent Removal Resin, 0.5 mLで処理した後、 LC-MS/MSを行いました。界面活性剤を除去したサンプルのペプチド同定数は、界面活性剤を添加しない場合に近く、界面活性剤を除去しない場合に比べて飛躍的に向上しています。
| 界面活性剤 | 界面活性剤除去率 (%) | BSA 回収率 (%) |
| SDS, 2.5% | 99 | 95 |
| Sodium deoxycholate, 5% | 99 | 100 |
| CHAPS, 3% | 99 | 90 |
| Octyl glucoside, 5% | 99 | 90 |
| Octyl thioglucoside, 5% | 99 | 95 |
| Lauryl maltoside, 1% | 98 | 99 |
| Triton* X-100, 2% | 99 | 87 |
| Triton X-114, 2% | 95 | 100 |
| NP-40, 1% | 95 | 91 |
| Brij*-35, 1% | 99 | 97 |
界面活性剤を含むBSA (0.1 ml, 100 µg) をPierce Detergent Removal Resin, 0.5 mLで処理し、界面活性剤の除去率とタンパク質回収率を測定しました。BSA以外でも、 insulin (5.7 kDa)、 α-lactalbumin (14.2 kDa) 、 carbonic anhydrase (29 kDa) でそれぞれ同様の結果が得られました(data not shown)。
| Cat.# | 製品名 | 容 量 | 価格 | MSDS |
| 87776 | Pierce Detergent Removal Spin Column, 125µl for 10–25µl samples |
25 columns | ¥24,000 | BID-P267 |
| 87777 | Pierce Detergent Removal Spin Column, 0.5ml for 25–100µl samples |
25 columns | ¥28,000 | BID-P267 |
| 87778 | Pierce Detergent Removal Spin Column, 2ml for 150–500µl samples |
5 columns | ¥15,000 | BID-P267 |
| 87779 | Pierce Detergent Removal Spin Column, 4ml for 500–1,000µl samples |
5 columns | ¥20,500 | BID-P267 |
| 87780 | Pierce Detergent Removal Resin | 10ml | ¥44,000 | BID-P267 |




