RNA 合成ケミストリー FAQ
お客様からいただくご質問をまとめました。
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2'-ACE合成法の大きな特徴は、高収量かつ高純度のRNAが得られることと、従来のRNA合成法よりも長いオリゴ(少なくとも80塩基)の合成が可能なことです。2'-ACE合成法では、カップリング反応が速く不可逆的であるため、他のRNA合成法とくらべて合成反応がより効率的です。また2'-ACE合成法では、2’水酸基の脱保護を使用直前に容易に行うことができます。
2'-ACE(bis(2-acetoxyethoxy)methyl orthoester)は、リボース糖の2’位の保護基です。この保護基はオリゴ合成過程では安定ですが、合成終了後には穏やかな酸性条件下(100mM酢酸、pH3.8)で容易に除去することができます。カタログ記載の全ての製品および全てのカスタム合成品については、2'-ACE保護基は通常除去されています。カスタム合成品でご注文の際にオプションA1を選択した場合は除去されていません。
穏やかな酸性バッファー中でRNAオリゴを加温することにより2'-ACE保護基を除去します。酸性バッファーとしては、100 mM酢酸(TEMEDによりpH 3.4~3.8に調製)を用います。詳細は
脱保護のプロコルをご覧ください。
2'-ACE合成法では、カップリング効率が非常に高いため、高品質かつ高純度のsiRNAを合成することができます。蛍光色素で修飾したsiRNAなど精製が必要となる場合は、至適化されたPAGE法を用いて純度95%以上のsiRNAを高収率に得ています。一般的にはin vitro使用を目的としたsiRNAについて、精製は必要ありません。
in vivo使用のためのsiRNAについては、in vivo HPLC精製オプションを用意しています。この精製オプションでは、siRNAの対イオンをイオン交換によりNa+に置き換えています。多くのin vivo研究ではsiRNAを精製せずに用いていますが、実験系によっては非常に高純度のsiRNAが必要となる場合があります。お客様と同様の実験系で使われているsiRNAの純度について、PubMedあるいは HighWireで調べることをおすすめします。
2'-ACE保護基がついた状態のRNAはゲル内でより遅く移動します。RNA分子の電荷は同じですが、2'-ACE保護基は脱保護状態の2’水酸基よりも分子サイズが大きいためです。
2'-ACE保護基はトランスフェクション実験に先立ってsiRNAから除去する必要があります。カタログ記載の全ての製品および全てのカスタム合成品については、2'-ACE保護基は通常除去されています。カスタム合成品でご注文の際にオプションA1を選択した場合は除去されていません。
未精製オリゴは、完全長オリゴと完全長より1塩基ほど短く不完全に合成されたオリゴの混合物です。サーモフィッシャーサイエンティフィックの2'-ACE合成法は核酸のカップリング効率がとても高く、各伸長ステップの効率はおよそ99%となります。各カップリング反応で未反応のまま残された官能基はキャップ処理されます。このため正しくない配列のまま合成が進行することはありません。したがって、完全長のオリゴ製品は完全に正確な配列を持ち、短い配列については途中までの配列からなる不完全なオリゴとなります。
完全長のオリゴ製品の割合は、次の計算式で求めることができます: 0.99 exp(n) ここで、0.99はカップリング効率、nはカップリング数(オリゴの長さ‐1)です。例えば、21塩基のオリゴはでは、0.99 exp(20) = 0.82となり、82%が完全長オリゴ、残りが完全長ではない不完全なオリゴとなります。
全てのsiRNAおよびRNAオリゴは、MALDI-TOFマススペクトロメトリーおよびHPLCによって、長さと純度が確認されています。また260 nmにおける吸光度測定によって製品に含まれるRNAの正確な量を求めており、この測定値は製品に添付されるProduct Transfer Formに記載しています。
siRNAやRNAオリゴの精製は、通常PAGE(ポリアクリルアミド電気泳動)法により行われます。この方法は、最終産物の約95%が完全長のオリゴとして得られ、また収量が最大となるように至適化されています。鎖長が11ヌクレオチドに満たないRNAオリゴはHPLC法により精製されています。
ほとんどの5’ 末端への修飾基は、オリゴ合成の最後のステップで90~95%の効率で付加されます。結果的に修飾オリゴの最終収量は、修飾しないオリゴと比べて若干低下します。一方、3’ 末端あるいは内部塩基を修飾したオリゴの最終収量は、カップリング効率と続いて必要となる精製過程に依存します。一般的にこれらの修飾を行ったRNAの収量は比較的低くなります。合成後の処理オプション(精製、脱塩、脱保護など)を追加すると、オリゴの最終収量はさらに低くなります。サーモフィッシャーサイエンティフィックでは最高品質のRNA製品を最良の収量で提供すべく努力をしていますが、オンラインでご注文いただく修飾siRNAや修飾RNAについては、最終的な収量を保証することはできません。最終収量を保証したカスタム製品については別途見積もりをいたします。
詳細についてはテクニカルサポートまでお問い合わせください。
オリゴ固相合成過程で付加される修飾塩基や標識化合物(蛍光色素やビオチンなど)では、精製は必要としません。オリゴ合成後に付加される修飾については、PAGEやHPLCによる精製をおすすめしています。3' への修飾および複数の修飾を導入する場合は、精製オプション(Processing Option: C または in vivo HPLC)を選択してください。