siRNA デザイン FAQ
お客様からいただくご質問をまとめました。
その他ご質問などございましたら、
製品問い合わせ先ページよりお願いいたします。
細胞へのsiRNA導入
Q1: 自分で配列デザインしたsiRNAを合成してもらえますか。
サーモフィッシャーサイエンティフィックでは、さまざまなスケールにてCustom siRNAを合成いたします。配列を指定してCustom siRNAをご注文いただくことができます。siRNAの配列デザインについては、従来の配列デザインルールに基づいたデザインツールによってデザインされたsiRNAは、遺伝子発現抑制効率にばらつきがみられることがあるため、十分な機能をもつsiRNAを実験的に確認する必要があります。サーモフィッシャーサイエンティフィックのsiDESIGN Centerは、公開されているデザインツールの中でもユニークなもので、先進的なSMARTselectionアルゴリズムに基づいています。しかしながら、機能的なsiRNAをデザインする技術は格段に向上していますが、実際の機能については現時点ではまだ実験によるスクリーニングが必要です。
Q2: ヒトの特定の遺伝子をターゲットとするようにデザインされたsiRNAは、他の生物種でも機能しますか。
ヒト遺伝子をターゲットとしてデザインされたsiRNAが、他の生物種のホモログ遺伝子を発現抑制することは期待できません。2つの生物種の遺伝子間に高い相同性が認められる場合においても、ある生物種の遺伝子特異的にデザインされたsiRNAが、他の生物種のホモログ遺伝子をも発現抑制することに成功した例はほとんどありません。生物種特異的にデザインされたsiRNAが、2、3の生物種にまたがって機能を発揮する事例はありますが、それはバイオインフォマティクスを含めて注意深くsiRNAがデザインされた場合です。siDESIGN Centerでは、複数の生物種のホモログ遺伝子をターゲットとするsiRNAをデザインすることができます。詳細についてはテクニカルサポートにお問い合わせください。
Q3: 特定の遺伝子産物のタンパク質配列があれば、そのタンパク質をターゲットとするsiRNAをデザインすることはできますか。
siRNAはタンパク質レベルではなくmRNAレベルで機能します。siRNAをデザインするには、ターゲットとするmRNAの正確なヌクレオチド配列の情報が必要です。遺伝子コードが生物種によって異なる場合があり、またコドン使用頻度に偏り(コドンバイアス)があるため、ペプチド配列から正しいヌクレオチド配列を予想するのは不可能です。加えてsiRNAの機能はmRNAの切断であるため、siRNAをデザインする際にはゲノム配列ではなくmRNAのヌクレオチド配列を使用することが重要です。前駆体mRNAのプロセッシングにより、ゲノム配列に含まれるイントロン配列が除去されます。ゲノム配列情報をもとにsiRNAをデザインすると、イントロンをターゲットとする可能性があり、結果的にそのsiRNAは、ターゲットとするmRNAに対する切断能をもたないことになります。
Q4: オフターゲット効果とはどのようなものですか。
オフターゲット効果とは、特定の遺伝子をターゲットとするsiRNAが、そのターゲット以外の遺伝子を非特異的に発現抑制してしまう効果です。機能性と特異性の高い理想的なsiRNAは、特定の遺伝子の1つの部位をターゲットとします。しかし、多くの場合siRNAのトランスフェクションによって、特異的効果ばかりではなく非特異的効果が観察されます。このような非特異的効果は、2本鎖siRNAに対する細胞の一般的な応答、あるいはトランスフェクション操作に対する応答である可能性があります。
オフターゲット効果は、ほとんどの場合において、siRNAのセンス鎖もしくはアンチセンス鎖が、本来ターゲットとしない遺伝子のmRNAと相補性を有することに起因します。
オフターゲット効果は濃度依存的です。したがって、オフターゲット効果を減らす最良の方法はsiRNAの濃度を下げることです。SMARTselectionでデザインされたIndividual siRNAおよびSMARTpool製品は遺伝子発現抑制機能が高く、低nM領域の低濃度で使用可能であるため、siRNAの濃度を下げることが容易になります。
Q5: ON-TARGET修飾、siSTABLE修飾、修飾のないsiRNAの違いは何ですか。どのような場合に修飾siRNAを使用すればよいのでしょうか。
ON-TARGET修飾は、センス鎖とRISCとの相互作用が弱められ、アンチセンス鎖がRISCに取り込まれやすくなるような化学修飾です。ゲノム情報の詳細が明らかな生物種に対してsiRNAによる遺伝子発現抑制を行う場合は、バイオインフォマティクスを用いた注意深い配列デザインによって、センス鎖に起因するオフターゲット効果を回避することができます。このため多くの場合ではON-TARGET修飾は必須ではありません。しかし、ゲノム情報が不完全な場合、あるいは、センス鎖に起因するオフターゲット効果を引き起こす可能性の高いsiRNAしか配列がデザインできない場合には、ON-TARGET修飾を導入することをおすすめします。
siSTABLE修飾はヌクレアーゼに対する安定性を高める化学修飾です。in vivo実験、または長期間の遺伝子発現抑制が必要とされるin vitro実験では、siSTABLE siRNAの使用が適しています。
Q6: 単一の実験で複数の遺伝子をノックダウンしたいと考えています。実験において考慮すべきことはありますか。
複数の遺伝子を同時にノックダウンする場合は、SMARTpool siRNAを組み合わせるのではなく、個々のターゲット遺伝子に対して最良の1種類のsiRNAを用いることをおすすめします。単一の実験で発現抑制できるターゲット遺伝子の数は、各siRNAの機能性やターゲット遺伝子の関与するパスウェイ、パスウェイの遺伝子の発現抑制に対する細胞応答など、多数の要因に依存します。細胞内での遺伝子発現抑制はsiRNAごとに効率が異なるため、投与するsiRNAの比率はお客様の実験系において至適化する必要があります。
Q7: 論文に記載されているsiRNA配列の5’末端に”AA”がありますが何を示していますか。
"AA"は、この分野の研究者が以前から用いている命名法のひとつで、siRNAのターゲットの先頭側に位置する配列を表しています。これらのヌクレオチドはsiRNAの一部として合成されることはありません。この配列(”AA”)はsiRNAの3’末端における2塩基オーバーハングに対応する配列を示しています。オーバーハングの配列がdTdTあるいはUUであるときに、siRNAのターゲット配列が”AA-(N19)”として表記されています。ご注文の際には、ターゲットとなるN19の配列を入力し、続いて2塩基オーバーハングの配列を選択してください。



