Dharmaconテクニカルサポート
(第7回 初代培養細胞・浮遊細胞へのsiRNA導入
Accell siRNAに関連するよくあるお問合せ)
Accell siRNAはトランスフェクション試薬を使わない、新しいタイプのsiRNAです。前回と今回の2回にわたり、Accell siRNAの特長と実験のポイントについてご紹介してきました。今回はAccell siRNAに関連する、よくあるお問い合わせ(FAQ)について代表的な例を取り上げたいと思います。
(執筆担当 サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)バイオサイエンス事業本部 牛山)
初代培養細胞、浮遊細胞にsiRNAを導入する方法はありますか?
siRNA導入方法として、トランスフェクション試薬を用いる方法と、Accell siRNAを用いる方法について取り上げます。
トランスフェクション試薬(DharmaFECT)を用いる方法
初代培養細胞:数種類の細胞でトランスフェクションが確認されていますが、その効率は一般的にあまり高くありません。
浮遊細胞:トランスフェクション試薬によるトランスフェクションは、一般的に困難とされています。
DharmaFECTによるトランスフェクションが確認されている細胞については、リストも参照してください。
Accell siRNAを用いる方法
初代培養細胞: HUVEC、hMSCなど数種類の細胞でトランスフェクションが確認されています。
浮遊細胞: Jurkat、THP-1など数種類の細胞でトランスフェクションが確認されています。
# Accell siRNAによるトランスフェクションが確認されている細胞については、リストも参照してください。
## 初代培養細胞や浮遊細胞へのトランスフェクションでは、一般的にAccell siRNAを用いると効率が良い場合があります。
HUVEC細胞にsiRNAを導入する方法はありますか?
HUVEC(臍帯静脈内皮細胞)へのトランスフェクションは、トランスフェクション試薬DharmaFECT(1 or 2 or 4)を用いる方法と、Accell siRNAを用いる方法で確認されています。
DharmaFECTを用いた場合のノックダウン効率は、GAPDポジティブコントロールsiRNAにおいて約70%であり、他の細胞と比較するとトランスフェクション効率はやや低めの傾向があります。一方、Accell siRNAでは、Cyclophilin BポジティブコントロールsiRNAによるノックダウン効率は約90%であり、DharmaFECTを用いた場合よりもトランスフェクション効率が高めの傾向が見られます。
この点を踏まえて、HUVECへのsiRNA導入についてはAccell siRNAの使用をおすすめしています。ここでHUVECに対するAccell siRNA実験について注意点があります。一般的に、Accell siRNAでは専用培地(Accell delivery media)の使用を推奨していますが、HUVECについては、HUVEC培地にFBS 2%を添加した培地をfibronectinコートプレートとともに用いた方が細胞生存率が高い結果が得られています。HUVECに対するAccell siRNA実験では、HUVEC培地、FBS添加量、プレートコーティングについて事前に検討することをおすすめします。
Accell siRNAはどのように細胞に導入されるのですか?
Accell siRNA はトランスフェクション試薬を使わない新しいタイプのsiRNAです。Accell siRNAでは、siRNA自体に独自の化学修飾が行われており、この修飾によって細胞に受動的に取り込まれる性質をもちます。化学修飾の詳細情報については公開しておりません。
Accell siRNAを使うときにAccell delivery mediaは必要ですか?
Accell delivery mediaはAccell siRNAのために開発された専用培地です。Accell siRNAを細胞に導入する際、培地中の血清はAccell siRNAの導入に干渉するため、無血清または低血清濃度の培地を使います。Accell delivery mediaは、無血清条件での細胞培養において重要な栄養成分を含む培地です。Accell delivery media自体にsiRNAを細胞に導入する働きがあるわけではないため、使用は必須ではありません。Accell delivery mediaは多くの細胞において十分なノックダウン効率と良好な細胞生存率を示しますが、一部の細胞株については細胞の安定性を高めるために通常の培地の使用が必要となる場合があります。
- 製品プロトコル : Thermo Scientific Accell siRNA
- 製品カタログ : Thermo Scientific Accell siRNA
- ホームページ : Thermo Scientific Accell siRNA






