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関連製品
Thermo Scientific Pierce テクニカルリソース
(EIAアッセイ系の構築)
テクニカルリソースでは、実験サポートをテーマにした記事をお送りしています。第8回目のテーマはEIAアッセイ系の構築 (プレートの選択)についてです。 (執筆担当 サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)バイオサイエンス事業本部 萬代)
はじめに
Thermo Scientific Pierceでは、サイトカインELISAキットのほか、プレート、基質、抗体、バッファーなど、アッセイ系の構築に関する製品を各種ご用意しています。アッセイで要求される感度やダイナミックレンジに応じた製品の選択に関して説明させていただきます。第二回目は抗体や酵素、基質やブロッキング剤に関してご紹介します。
標識法
抗原や抗体に標識を行うことで、標識分子による立体障害が生じることがあります。特に酵素などの高分子化合物を標識すると抗原や抗体の活性に影響を与えることがあり、ELISAでの検出感度が低下することもあります。立体障害で感度が低下する場合、酵素標識に用いる架橋試薬のリンカー長を延長することで改善されることがあります。また、分子サイズが小さいビオチンを用いることで、立体障害は軽減される傾向にあります。
酵素標識
標識にはアルカリホスファターゼ(AP)と西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)が一般的に用いられます。APは分子量140kDaのタンパク質で、HRPに比べ反応速度は遅くなりますが、反応速度が一定であり、反応時間の延長で検出感度が向上されることがあります。HRPは40kDaのタンパク質で、APに比べ反応速度が速く、0℃以下でも安定に凍結保存できます。APは定量アッセイに適した酵素とされますが、ハイスループット分析では測定時間を短縮できるHRPを使用することもあります。また、HRPは比較的安価な酵素で、利用可能な基質が多いことも特長です。
ビオチン標識
低分子(分子量244.3)ビオチンによる標識は立体障害を最小できること、ビオチン結合性タンパク質であるアビジンやストレプトアビジンまたはNeutravidinによる増感も可能なことから、検出感度の向上を目的に利用されます。通常、抗原や抗体にビオチンを標識して、酵素を標識したビオチン結合性タンパク質をプローブに利用します。二次抗体を用いるサンドイッチELISAでは、異なる動物種の捕獲抗体と検出抗体(一次抗体)が必要になりますが、マウス由来の抗体しか用意できない場合など、ビオチン標識抗体を利用することで、問題を回避できます。
基質の選択
検出基質には発色基質、化学蛍光基質、化学発光基質があります。発色基質を用いる発色法は最も一般的な検出法で抗原や抗体に標識した酵素と基質を反応させて得られる安定な発色産物を利用します。化学蛍光基質を用いる化学発光法は発色法と比べて一般的に検出感度が高く、化学発光法と比べてダイナミックレンジが広い(線型定量性の高い)検出法になります。化学発光基質を用いる化学発光法は最も高感度な検出法になりますが、一般的にダイナミックレンジは化学蛍光法よりも狭く、また発光シグナルは比較的短時間で減衰するため検出時間は制限されます。検体数の多いハイスループット分析では、希釈系列数を最小限に抑えることができる、ダイナミックレンジの広い化学蛍光基質がおすすめです。

Thermo Scientific QuantaBlu Fluoregenic Peroxidase Substrate と発色基質との比較
QuantaBlu 化学蛍光基質と発色基質を西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)と室温において30分間反応させた後、反応停止液を添加しました。低濃度のHRPにおいて高いシグナルノイズ比が得られていることがわかります。
| 酵素 | 製品 | 吸収波長 色 | 検出下限 | 抗体希釈率 |
| AP | PNPP Substrate | 405nm Yellow |
~10 ng/well (100 ng/ml) |
1° 1:500
2° 1:5K - 1:20K |
| HRP | ABTS Substrate | 410nm (650nm)
Green |
~250 pg/well
(2.5 ng/ml) |
1° 1:1K
2° 1:5K - 1:50K |
| HRP | OPD Substrate | 490nm (450nm)
Green (Orange) |
~7 pg/well
(70 pg/ml) |
1° 1:1K
2° 1:5K - 1:50K |
| HRP | Slow TMB | 450nm (652nm)
Yellow (Blue) |
~8 pg/well
(80 pg/ml) |
1° 1:1K
2° 1:5K - 1:50K |
| HRP | Turbo TMB | 450nm (652nm)
Yellow (Blue) |
~7 pg/well
(70 pg/ml) |
1° 1:1K
2° 1:5K - 1:50K |
| HRP | TMB Substrate | 450nm (652nm)
Yellow (Blue) |
~6 pg/well
(60 pg/ml) |
1° 1:1K
2° 1:5K - 1:50K |
| HRP | Ultra TMB | 450nm (650nm)
Yellow (Blue) |
~2 pg/well
(20 pg/ml) |
1° 1:1K
2° 1:5K - 1:50K |
検出下限と抗体希釈率(1 mg/mlからの希釈率)は最適化を始める場合の推奨値です。特定のアッセイにおける抗体希釈率や検出下限を保証するものではありません。
| 酵素 | 製品 | 発光波長 色 | 検出下限2 | 抗体希釈率2 |
| HRP | SuperSignal ELISA Pico |
425nm
Blue/Green |
~500 fg/well
(5 pg/ml) |
1° 1:1K
2° 1:10K - 1:50K |
| HRP | SuperSignal ELISA Femto |
425nm
Blue/Green |
~170 fg/well
(1.7 pg/ml) |
1° 1:1K
2° 1:50K - 1:100K |
検出下限と抗体希釈率(1 mg/mlからの希釈率)は最適化を始める場合の推奨値です。特定のアッセイにおける抗体希釈率や検出下限を保証するものではありません。
| 酵素 | 製品 | 励起波長 / 発光波長 | 検出下限2 | 抗体希釈率2 |
| HRP | QuantaBlu | 325nm / 420nm | ~500 fg/well (5 pg/ml) |
1° 1:500
2° 1:5K - 1:20K |
| HRP | QuantaRed | 570nm / 585nm | ~400 fg/well
(4 pg/ml) |
1° 1:1K 2° 1:5K - 1:20K |
その他バッファー
HRP標識抗体の希釈や保存にはGuardian Peroxidase Conjugate Stabilizer/Diluent [37548, Thermo Scientific Pierce]が最適です。GuardianはHRP標識抗体またはHRP標識ストレプトアビジンの希釈および保存を目的にした製品になりますが、1-1,000 ng/mlのHRP抗体を室温で6ヶ月、4℃で12ヶ月安定に保管することができます。

Guardianで保管(37℃で84日間)したHRP標識抗体(1 ng/ml)の活性
Guardian HRP Stabilizer/Diluentで1:100,000希釈したGoat anti-rabbit HRPを 37℃で保管しました。保管したHRP抗体をTBS/ SuperBlockにより1:5,000,000まで希釈、SuperSignal ELISA Femto化学発光基質(製品コード37075)を用いたELISAでHRP活性を評価しました。37℃における84日間の加速試験は、4℃での24ヶ月または室温での9ヶ月に相当します。
おわりに
Thermo Scientific Pierceでは、ELISAアッセイ構築に用いるプレートや基質のほか、抗体やバッファー類など、さまざまな製品をご用意しています。前号および今号のThermo Scientific Pierceテクニカルリソースでは、ELISAアッセイ構築に用いる製品の選択をテーマに、簡単にご説明しましたが、技術文書
TR0065 ELISA technical guide and protocols では、より詳細な情報をご確認いただけます。



