Dharmaconテクノロジー
(SMARTvector 2.0 shRNA Lentiviral Particlesに関するQ&A)

サーモフィッシャーサイエンティフィックでは、さまざまなテクノロジーを応用して、お客様のニーズに応えるThermo Scientific製品を開発しています。SMARTvector 2.0 shRNA Lentiviral Particlesは、最先端の配列デザイン技術を用いて作成されており、効率のよいDNAベースの RNAi を実現します。今号では、SMARTvector 2.0 shRNA Lentiviral Particlesに関してお客様からよく受ける質問を取り上げたいと思います。
(執筆担当 サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)バイオサイエンス事業本部 広瀬)

Q1. SMARTvectorレンチウイルス粒子を実験室で使用しても安全ですか。また、SMARTvectorレンチウイルス粒子は、二種告示別表第2において実験分類2あるいは3のいずれに該当しますか。

レンチウイルスを用いた形質導入系は、これまで世界中の数百にも及ぶ実験室で事故なく利用されてきました。SMARTvector 2.0 Lentiviral shRNA Particlesは、Human immunodeficiency virus(略称 HIV)1型の増殖力等欠損株についてクラス2と認定される下記の条件(文部科学省による)を満たしています。

  1. 調節遺伝子およびアクセサリ遺伝子(nef、vif、vpr、vpu) の機能を全て欠損しており、制御遺伝子(tat、rev) の少なくともいずれか一方の機能を欠損しているもの。
  2. 構造遺伝子の固有部分を全て欠損するもの(フレームシフトやポイントミューテーションによる機能欠損を除く)。
  3. プロウイルスにおいてLTR のプロモーター活性を持たず、HIV-I の全ゲノムが転写されないもの。

* SMARTvectorのベクターマップは企業秘密のため提示することはできませんが、上記3つの条件を満たしていることを確認しています。3.についてはself-inactivatingであることを示す記述がTechnical Manualの7ページにございますのでご参照ください。

Q2. 製品のレンチウイルスベクター粒子でどのくらいの数の細胞へ形質導入することができますか。

製品がどの程度の規模(回数)の実験に使用できるかは、ご使用になる細胞の種類や実験目的に依存します。ご使用になる細胞や実験目的に合わせて最適なMOIを決定する必要があります。いくつかの細胞株について、ピューロマイシン選抜を行う場合と行わない場合に必要なMOIの目安を記載した表が、Technical Manualの9ページにございますのでご参照ください。なお、げっ歯類の細胞、特にマウスの細胞への遺伝子導入は難しい場合があります。多くのヒト細胞と比べて、げっ歯類の細胞へのウイルス感染にはタイターの高いウイルス粒子を用いるか、細胞への感染時間を長くする必要があります。さらにピューロマイシンによる感染細胞セレクションも慎重におこなう必要があります。

例) Set of 3 different gene-targeting constructs, 100 µL at ≥ 108 TU/mLをご購入された場合、例えば、HEK293細胞を96プレートのウェルあたり20,000個まき、MOI=5(TU/cell)にてウイルスを感染させ、ピューロマイシン選抜を行う場合、各コンストラクトについて、最低100ウェル分の導入実験を行うことができます。

Q3. 自分でデザインしたターゲット配列を挿入したSMARTvectorをカスタムで注文することはできますか。

カスタムでのSMARTvectorの作成は承っておらず、デザイン済みの製品のみ提供しております。

Q4. 私の扱っている細胞株で、SMARTvectorレンチウイルス粒子による形質導入が可能か否か、どのようにしたら分かるのでしょうか。

SMARTvectorレンチウイルス粒子は、幅広いウイルス親和性を与えるVSV-Gエンベロープタンパク質を利用して製造されています。お客様が使用の細胞株が、レンチウイルスによる形質導入を受け入れるかどうかは、文献検索データベースを検索して、お客様が使用しているのと同様の細胞株を使って他の研究者がレンチウイルスによる形質導入に成功しているかどうかを調べることをおすすめします。文献検索によって何らの情報も得られない場合は、コントロールのコンストラクト(例えば、SMARTvector GAPDH およびSMARTvector Non-targeting control)を用いた予備実験を行うことをおすすめします。

Q5. SMARTvectorにはTurboGFPが含まれますが、TurboGFPを含む本ウイルス粒子を使用した場合、将来的にライセンス料を請求されますか。

研究目的の場合、ライセンス料は不要です。


その他のQ&Aについては、Technical Manualの16-19ページをご参照ください。