コンポーネント

バイオプロセスコンテナ フィルムの概要

バイオプロセスコンテナシステムを設計する上で、チャンバーに使用するフィルムの材質は最も重要な要素の一つです。フィルムは長時間にわたって様々な性質を持つ内容物と接触しているため、その安全性や物理化学的安定性などを考慮しなければなりません。

医学研究用に用いられる溶液の保存用の小容量2D バッグは、塩化ビニール(PVC)やエチレンビニールアセテート(EVA)を使用する製品が一般的でした。しかし、これらの素材は大容量のバイオプロセスコンテナには不向きで、溶出成分の懸念もあることから、最近では多くのバイオプロセスコンテナ用の主素材としてポリエチレン(PE)が使用されるようになりました。

PE はバイオプロセスコンテナに必要なすべての特性を備えているわけではありません。PE はフィルム由来成分が溶出することはほとんどありませんが、気体透過性や強度に脆弱性があります。これらの問題点を解決するために、接液面層にPE 素材を用いて、その外側に他の素材を使うことにより、気体遮断性に優れて十分な強度を持ったマルチウェブ(多重構造:複数のフィルムを重ねた構造)フィルムが開発されました。

当社は、複数のフィルムを圧着することによりシングルウェブ構造の多層フィルムを開発しました。Thermo Scientific HyClone バイオプロセスコンテナ製品は、この新開発のフィルムを用いて医薬品製造向けに設計、製造されています。PE 製の接液面層と外側の層(EVOH: エチレンビニルアルコール)とが物理的に結合したシングルウェブ構造にすることで、バイオプロセスコンテナに必要な特性を実現し様々なサイズのコンテナ製造が可能になりました。またシングルウェブ構造のためチャンバー製造を自動化しやすく、品質や機能を改善することができます。

CX5-14 フィルムの特性は、CX5-14 フィルムの紹介ページを参照してください。このフィルムから気体遮断層を省いて簡素化した製品がCX3-9 です。CX3-9 フィルムは気体遮断性を必要としないアプリケーションに使用されます。

Thermo Scientific TC Tech AF フィルムも利用可能です。このフィルムはCX5-14 と同様にPE を接液面層に使用したマルチウェブフィルムで、既にAF フィルムのバリデーションが終わったお客様ならびにCX5-14 の代替品をお求めのお客様に提供しています。(初めてバイオプロセスコンテナをお求めのお客様にはCX5-14 製フィルムをお薦めしています)

フィルムに関する技術情報は、フィルムの設計と同様に重要です。当社では、以下の1から10の特性に関して徹底した検証テストプログラムを実施しています。

1. 生物学的適合性 2. 引張り特性 3. 引き裂き強度 4. ガラス転移温度 5. 輸送能力 6. 透明度 7. 透過性 8. pH 安定性 9. 溶出成分 10. 蛋白質吸着